研究開発事業
アートビーム株式会社R&Dセンターについて
本センターの活動は、各種材料・その応用技法の研究開発を主に行っています。
開発方針は、量産化への円滑な移行が可能で且つ地球環境に適合した材料・技法の開発を目指しています。
開発対象の材料・技法は現在、4つあります。
一つ目は、各種ナノ粒子の開発です。有機溶媒を不要とした超臨界水熱合成法を基礎にして、ナノ粒子の設計開発・試作を行っています。試作機は連続稼働式の為、ナノ粒子の量産化への具体的な展開に対して前向きにお客様のご要望にお答えしていく事が可能です。
二つ目は、導電ガラスを適用した商品開発です。導電ガラスの特徴を生かして、従来の金属が不得意な空気雰囲気での放電電極の欠点を補った新しい電極を商品化しました。
三つ目は、新しい太陽電池構造を新技法と新ハンダ材料で作製しました。これにより、製造工数も電極材料費用も削減する事が可能になります。
四つ目は、太陽電池用の新ガラスフリットの開発試作です。広いガラス成分の特徴を基礎に設計・開発・試作を行います。
以上の4つの商品開発は今はそれぞれに独立して進めていますが、近い将来にそれ等の材料と技法を連携させて相乗効果を生み出し、来る時代に相応しい商品開発に繋げてまいります。「地球環境に適合した量産化開発」の方針を忘れずに幾世代にもお客様に愛され、受け継がれる、材料・技法を継続させて開発してまいりたいと思います。

超臨界水とは(super - critical – water : SCW )
大気圧下において、水は0℃以下で氷に、100℃以上で水蒸気になります。
このような固体・液体・気体の変化を相変化とよびます。
水の場合、374℃、22.1 MPaを境として相変化が起こらなくなるため、この温度と圧力の条件を臨界点とよび、この臨界点を超える水を超臨界水とよんでいます。
水の臨界点以上の領域でナノ粒子を合成する方法を超臨界水熱合成法とよびます。
気体と液体の境界がなくなる


株式会社アイテック製
MOMI超mini Ⅱアートビーム仕様
連続超臨界水熱合成法とは
東北大学 ディスティングイッシュトプロフェッサー阿尻教授の発明で、地球上で見出される物質は、全てナノサイズの粒子として連続合成出来るという途轍もない可能性秘めた技術です。すでに、海外でも先端ナノ材料製造を中心に実用化展開が急速に進んでいます。
弊社は、サポイン(戦略的基盤技術高度化支援事業)、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のプロジェクトを通じ、東北大学 阿尻研究室様とこの連続超臨界水熱合成法を用いて長年共同研究を続けてまいりました。また現在、阿尻教授の研究成果である「超臨界水反応による無機材料の有機修飾及び有機修飾無機ナノ粒子合成」の事業展開を目指し設立した東北大学発のベンチャー企業、株式会社スーパーナノデザイン(SND)様とも連携して事業展開しております。
特徴、優位性 - 特徴と他方法との比較 -

ポイント1
地球上で見出される物質は、全てナノサイズの粒子として連続合成出来ます。
ポイント2
高温での合成であり、結晶性が良い粒子が得られます。
ポイント3
超臨界水熱合成においては、水だけを溶媒として用いるという特長もあります。
ポイント4
均一核生成を起こさせることによって粒径分布の狭い粒子が得られます。
ポイント5
反応時間が、秒オーダーと非常に短く、連続式合成での多量生産可能です。
ポイント6
多元系組成のナノ粒子が合成出来ます。
ポイント7
有機分子で修飾した無機ナノ粒子(ハイブリッド材料)の合成が出来ます。
世界にまだない新しい機能材料をお客様のご要望を踏まえ受託開発、製造を行います。
ABLガラスは電気を通す新材料です。
ABLガラスは、環境材料研究所 所長の西田哲明博士が発明したバナジン酸塩を主体とした導電ガラスです。ガラスフリットまたは、ガラスペーストでのご提供ができます。導電率は、焼成条件により調整できます。
■ サンプル形状
ガラスフリット
金属粉末焼結助剤(Agペースト、Cuペースト)
封止封着剤・静電防止材料

ABLガラスフリット
導電ガラスペースト
ヒーター剤・抵抗体・コーティング・電極材

ABL導電ガラスペースト
■ 供給粒径サイズ
ガラスフリット 2.5~3.0μm(D50)
ご要望に沿った金属粉末-ABLガラス混合ペーストの作製も可能です。
ABLガラスフリットの優れた特性

放電電極材料への応用(e-コロナ電極)
ABLガラスは、バナジン酸塩を主体とした導電ガラスのため非結晶体で酸化物であり酸化されることがなく金属のような錆の発生はありません。この特徴を生かして、従来の金属が不得意な空気雰囲気下での金属放電電極の欠点を補った新しい電極を開発しました。電気集塵器やセンサー部品への応用が期待されます。スクリーン印刷することができますので、多種多様な電極構造を形成することができます。
放電電極材料への応用
■ 電極サイズ


表φ12-8㎜裏φ8-6㎜ 円状電極
■ 電極サイズ

2㎜×120㎜の板状電極
■ 放電状態
スクリーン印刷によって電極形状を自由に作製することが可能です。
空気雰囲気での放電
■ 放電状態


アートビームの太陽電池技術 ー ABS-技法 ー
ABS-技法とは、Art Beam Solar の略称で、弊社が開発する太陽電池関連技術の総称を表しています。
新しい太陽電池構造を実現する接続技法として、特殊なはんだ材料と精度を究めたはんだ付け技術によって、製造工数、電極材料費用の削減、電気特性の向上が可能になります。
太陽電池技法 原理図
フィンガー電極面
アルミ電極面



フィンガー電極上、シリコンウエハ上への直接はんだ付け


PERC型セルアルミ電極面への直接はんだ付け
ABS-技法は、従来の銀電極を基礎としたリード線接続とは違い、アルミ電極表面やシリコンウエハ表面へ直接はんだ付けを行いリード線の接続を可能にします。
それにより、銀の使用量の削減、電気特性の向上が可能になります。

卓上超音波はんだ付け装置 アートビーム仕様
太陽電池電極用ペーストのガラスフリットの開発試作を行っております。広いガラス成分の特徴を基礎に、様々な要望に沿った新規のガラス材料の設計・開発・試作を行います。
・アルミペースト用ガラスフリット
・銀ペースト用ガラスフリット など
応用例その他

銀(Ag)ペースト焼結助剤

太陽電池フィンガー電極用
銀ペーストのガラスフリット

PERCセル型太陽電池
裏面アルミ電極用
ガラスフリット